金星人のブログ

日々の思いをつづる短文記

世界名作劇場『ロミオの青い空』

1995年放映作品

原作         リザ・テツナー

脚本         島田満

監督         楠葉宏三

キャラクターデザイン 佐藤好春

 

 

TVアニメ世界名作劇場「ロミオの青い空」のミュージカル公演を記念して、

同アニメが期間限定無料配信されている。

二日間で全33話一気見してしまった。

キャラクターデザインが佐藤好春さんなので絵柄がトトロっぽい。

ダンテというキャラはあきらかにカンタだった。

監督は愛少女ポリアンナ物語やトラップ一家物語とおなじ監督さん。

 

この作品、春にも配信していたのだが、リアルタイムでは視聴していないので、興味があまりなく見なかった。

それが今回、はじめて見てみて一気にはまってしまった。

世界名作劇場シリーズでもファン投票で人気が高い作品とか。

原作はリザ・テツナー「黒い兄弟」

原作は知らなかった。アニメとは内容が違うらしい。

 

アニメ版のストーリー

ときは19世紀後半、スイスの貧しい農村の少年ロミオが借金の身売りにイタリア・ミラノへ煙突掃除夫として働きに出る。

ミラノへの旅の途中、アルフレドという貴族出身のおなじく身売りの少年と知り合う。

私は主人公ロミオよりこのアルフレドに魅力を感じた。

役は藤田淑子さん。すごくかっこいいんだ。

 

二人はミラノで煙突掃除夫の仲間の子たちと「黒い兄弟」という同盟を結成する。

不良グループ「狼団」の襲撃に対抗するためだ。

「仲間」「友情」「絆」がこのアニメのテーマ。

リーダーとなったアルフレドは「仲間がいるからこそ勇気が出る」と言う。

独裁的なリーダーではない。

仲間とは助け合うものだという信念があるのだ。

 

キャラクターの成長もうまく描かれている。

ロミオの奉公先の親方の息子を除いて、キャラ全員が精神的に成長する。

狼団のリーダージョバンニや不良少女ニキータが、アルフレドやロミオたちの影響で徐々に変わっていく様子がうまく描かれている。

狼団は最終的に黒い兄弟と平和同盟を結ぶまでに至るのだ。

ジョバンニはなかなかいい感じの少年だった。

単なる悪党じゃなくて仁義もある少年。

アルフレドを敵としてではなくライバルとして見ている。

親方の息子アンゼルモは嫌な奴なのだが、最後まで「改心」も「成長」もせず、嫌な奴で終わったのもリアルな人間描写でいいと思う。

 

親方のマルチェロもはじめはロミオに厳しかったが、そのうち愛弟子のように可愛がる。おかみさんのエッダはずっとロミオを邪険にしていたのだが、ロミオと別れたあとで涙をみせる。

これはロミオの人柄の良さが影響したのだろう。

ロミオは物語前半で、溺れそうになった人身売買業者の「死神」すら助ける優しい少年なのだ。

ただ、ラストで死神が再登場するが、この男も改心などしていなかった。

 

ロミオが田舎では幼馴染みアニタ、ミラノに来てからは親方の養女アンジェレッタ、その後、アルフレドの妹ビアンカに恋心が移りゆく。

この年頃のリアルな男の子の移り気を描いていた。

ただ、アニタからすれば浮気なやつである。

 

「団結」もこのアニメのテーマだ。

「黒い兄弟」の仲間たちが団歌を歌って腕を組んで歩くシーンは労働者の団結のようだ。煙突掃除夫労働組合って感じだな。

復讐劇というテーマも入っている。

アルフレドは両親を叔父によって殺され財産をすべて奪われた過去を持つ。

しかし、復讐はアルフレド自身の手ではなく、叔父の悪事が国王の前で露見したことによる裁きで達成される。

子ども向けアニメなので後味は悪くない。

 

アルフレドは両親のかたき討ちをまっとうしたあと、結核で亡くなる。

アルフレドの自由と平等の意思はロミオに受け継がれる。

そしてラスト、ロミオは故郷に戻り物語は終わる。

将来、教育者になる決意をもとに。

 

仲間、友情、絆、団結、

これまで私が得られなかったものばかりだ。

50手前にピュアなアニメに夢中になってしまった。